【レビュー】小型ナイトビジョンスコープNVS40を買ってみた

以前レビューしたFNIRSIのナイトビジョン単眼鏡NVS-20に次いで新たに同社のナイトビジョンスコープNVS-40を購入してみました。双眼鏡タイプの赤外線暗視スコープで、カラー&赤外線ナイトビジョンに対応、4K動画36MP静止画を撮影できるすぐれものです。以前レビューしたNV016よりひと回り小さいということでチョイスしてみたわけですが性能やいかに。NV016NVS-20などと比較しながらレビューしていきましょう。なお、過去に投稿したナイトビジョンスコープのレビューは動画概要欄から確認いただけるのでそちらも参考にしてください。それでは検証スタートです。

動画内で紹介した製品(Amazonリンク)

ナイトビジョンスコープ NVS-20

ナイトビジョンスコープ NV016

VCSEL高輝度赤外線トーチ Alonefire TK504(IR850 / IR940)

商品概要

商品はFNIRSIというブランドの双眼鏡タイプのナイトビジョンスコープNVS-40です。FNIRSIは測定機器などを製造している中国の会社ですが、なぜか暗視スコープがラインナップに。カラー暗視撮影に対応する高感度センサーを搭載し、NV016同様に内蔵赤外線ライトを使った赤外線暗視撮影もできます。コンパクトなボディですが、最大4K30fpsの動画も撮影できる優れものです。

開封してみた

価格は、Aliexpressのセール7,999円に値下げされたものが、さらにクーポン利用で7,049円なり。注文から10日で到着です。

同梱品は、本体のほか、USBケーブル、32GBマイクロSDカード、専用ケース、英文説明書です。18650電池は同梱されていないため、別途用意する必要があります。

外観から見ていきましょう。本体はプラスチック製ですが、この手の製品としては質感は良いです。

本体上部にメニュー、プラス・マイナス、撮影、電源、モードボタンです。

左側面には、マイクロSDカードとUSB Cポート、リセットホールです。出荷時32GBカードがセットされています。

底面には三脚ネジ穴と電池ボックスです。

18650電池は別売りです。今回はNVS-20のものを入れて撮影します。バッテリーを交換できるのはうれしい。

モニターは3インチのHD IPSパネルです。

向かって右側がカメラレンズで、左側が赤外線ライトです。中央にマイクホールがあります。

レンズ筒のサイズは3cm弱。

28-37mmのステップアップリングを載せてみました。若干ルーズです。32mmだと入らないので、30.5−37mmあたりがちょうどよさそうです。

本体サイズは136×153×56mmです。

重量の実測値は、電池、SDカード込みで298gです。NV016492gだったので200g弱軽いです。

NV016(左)と比べるとひと回りぐらいコンパクトです。デザインもNV016のような野暮ったさは無いので使っていても悪目立ちはしなさそう。持ち運びにも便利です。

操作方法

主な設定項目を紹介しておきましょう。設定画面は前回レビューしたNVS-20と同じです。動画の設定項目は5つ。ループレコーディングは1ファイルあたりの時間設定で、1分を選択すると1分ごとにファイルが分割されます。WDRはワイドダイナミックレンジ機能のオン・オフです。WDRはハードウェア版のHDRで、明暗差のあるシーンで白とびや黒つぶれを抑えてくれます。動体検知撮影に対応します。

動画撮影の解像度は最大4K 30fpsです。

静止画撮影の設定は8項目。電子手ブレ補正の設定もできるようです。

最大3600万画素の静止画撮影ができます。

メニューボタン2回短押しでシステム設定です。10項目で、LCDの輝度調整にも対応します。

言語は日本語に対応しますが、ところどころ意味不明な中国語が表示されます。

露出補正は1/3段刻みで最大プラス・マイナス2段まで設定できます。

ファームウェアのアップデートに対応するようです。


そのほか細かい設定項目はこんな感じです。メーカーHPからマニュアルファームウェアがダウンロードできますのでそちらも参考にしてください。

操作方法

ざっくりと撮影テストです。操作は簡単。電源ボタン長押しで起動して撮影ボタンを押すだけです。

露出はオートで、フォーカスはマニュアルになります。

ボタンを短押しすると、内蔵赤外線ライトがオンになり、ナイトビジョンモードで撮影できます。+・ーボタン短押しで赤外線ライトの光量を最大7段階まで調整できます。

レベル1では、赤外線は肉眼でほとんど見えませんが。

レベル7まで上げると光源はそれなりに赤く光ります。スマホカメラは赤外線にも感度があるため写真のような色合いですが、肉眼で見ると赤く光って見えます。

撮影画面はこのような感じ。NV016と比べると画面がひと回り小さいですが、LCDはそこそこ解像度があるのでざっと使った感じでは問題なし。

電源ボタンを短押しするとLCDがオフになります。録画しながら画面をオフできるのはうれしい。

バッテリーについては、18650リチウム電池で交換可能です。ただし、電池を取り外すと日時など設定がリセットされます。

USB Cポート経由で外部電源が使用可能で、モバイルバッテリーなどから給電できます。

なお、電池残量が減るにつれて赤外線LEDの光量レベルは低下していきます。光量が必要な場面では外部バッテリーを繋げたほうがよいでしょう。

USBケーブルをつなげることで外部ストレージとして認識され、撮影したデータをパソコンに転送できます。ただし、UVCUSB VIDEO CLASS)には対応していないようで、PCやスマホに繋いでWEBカメラとして使うことはできません。

テスト撮影(日中)

テスト撮影です。日中と夜間で何パターンか撮影してみました。センサーと赤外線ライトの性能を中心に見ていきましょう。三脚に固定しての撮影です。

1−①スマホ岡山城

まずは日中の撮影です。岡山城で撮影してみました。スマホカメラで撮るとこのような感じ。2倍ズームで35mm換算50mm相当です。

静止画から撮影していきましょう。解像度は3600万画素です。カメラの画角FOVは10°で35mm換算250mm相当です。ISO 100F1.8、シャッタースピードは1/1600秒です。


1−③岡山城6倍

デジタルズームは0〜6倍まで0.1刻みで変更できます。3倍あたりまでは画質の劣化はそれほど目立ちませんが、6倍ではそれなりに粗い画像になります。


ナイトビジョンモードは日中でも問題なく使えます。SONYハンディカムのような規制はありません。

動画です。NVS-20のようにアスペクト比がおかしくなることはありません。

画質は3倍あたりまではシャープですが。

やはり6倍になると粗さが目立ちます。

テスト撮影(夜間)

夜間撮影です。川の対岸にあるボートハウスを撮影してみました。直線距離で85mです。

スマホカメラで撮影するとこのような感じです。1/10秒のスローシャッターのためボートなど映っていますが、肉眼ではほぼ見えません。

カラーナイトビジョンから。街灯や車のヘッドライトの影響の少ない場所を選びましたが、わずかな灯りでも明るく映っています。

3倍です。

デジタルズームは最大の6倍までいくとかなり粗い画質です。

ナイトビジョンモードです。赤外線ライトの明るさは最小のレベル1です。

レベル7まで上げてみました。80m離れた対岸まで赤外線光が届いているようで、ボートもきれいに映っています。

3倍です。

こちらもデジタルズームは望遠端で粗さが目立ちますね。常用できるのは3倍までかな。

河川敷をぐるりと撮影してみました。街灯などある程度照明があればカラーでそれなりに映ります。NV016に比べると暗いかなという印象です。

赤外線撮影は100m程度なら光が届きます。ただし、デジタルズームは3倍あたりが限界なので、30-50mくらいの距離で使うのが良さそうです。

公園

場所を変えて、公園で60m離れた場所にある看板を撮影してみました。真っ暗な場所で、カラーナイトビジョンではほとんど映りません。

赤外線撮影に切り替えると、看板の文字がはっきりと判読できます。これぐらい映れば問題ないという画質でしょう。

3倍まで拡大すると文字が読めます。

6倍です。

さらに90m離れた場所から撮影してみました。カラーでは看板の形が見える程度です。

ナイトビジョンに切り替えると看板の形がはっきり見えます。

望遠端です。人の姿も映っていますが、倍率的には厳しいですね。赤外線は届いていますが光量がかなり減衰しているようで、ノイズが目立ちます。看板の文字も判読できません。50mあたりが限界ですかね。

NV016と比較

NV016とスペックを比較してみましょう。サイズはNVS-40がひと回り小さいです。

マイナス面は、LCDサイズが小さい点です。NV016と比べるとひと回りぐらい小さくなります。このあたりは本体サイズとのトレードオフなので、まあ許容範囲かな。そのほか、NV016に付いている赤外線照準はありません。

NV016との比較で劣る点としては、デジタルズーム倍率です。NV016ではデジタルズームは最大10倍5倍あたりまでは常用できますが、NVS-40では3倍を超えると画質の劣化が目立ちます。

メリットはやはりコンパクトなサイズ感でしょう。4K撮影対応などNV016と同等の性能にも関わらず、ひと回り小さなサイズに収まっているのはうれしい。

また、筐体の質感も良く、NV016のような保護レンズの品質の悪さから生じる夜景撮影時のゴーストの発生もありません。ファームウェアのアップデートに対応するなどサポート面での安心感もあります。

NV016と比較

夜間撮影の画質を比較してみました。スマホカメラで動画撮影するとこんな感じ。かなり暗いです。

カラーナイトビジョンから見ていきましょう。NVS-40です。スワンボートのお尻のの文字にピントを合わせてズームしていきます。

3倍です。

6倍です。画質はそれなりに粗いですが、の文字はなんとか読めます。

続いてNV016です。比べてみるとNV016のほうがセンサー感度が高いようで、暗所の画質はハッキリ違いがわかるくらい上ですね。奥の石垣や草木もきれいに映っています。

3倍です。

5倍です。このあたりまではノイズも少なくきれいな画質です。

10倍です。NVS-40の6倍と同程度の拡大率です。ノイズは増えましたが、NVS-40よりはきれいです。の文字もきれいに解像しています。

続いて、ナイトビジョンです。NVS-40から。

3倍では文字があるのはわかります。

6倍まで拡大すると薄っすらの文字が見えます。

NV016です。センサー感度が高いことに加えて、IR LEDの輝度も高いので、NVS-40よりは高画質です。

3倍です。

6倍です。の文字もしっかり解像しています。同じ価格帯の中華製品ということで、画質は似たようなものかなと思っていましたが、こうして比較してみるとNV016はかなりきれいですね。搭載するカメラセンサーの感度が高いことに加えて、IRライトの輝度も高いので、カラー、モノクロともに画質が上回っているようです。

使用感は

NVS-40をひと通り撮影機能を使ってみての感想です。

まず、操作性についてですが、NVS-40NVS-20同様に作り込みが甘い印象で、いろいろと難ありです。電池の交換時のほかに、よくわからないタイミングで設定がリセットされるのは困りもの。日時の設定などやり直すのは面倒です。

あと、デジタルズームの操作がしづらいです。ボタンを押してズームするまで3秒ほどかかるのはストレスです。倍率は0.1倍刻みですが、表示が速いため目的の倍率で止めるのが困難です。1倍刻みでよいと思うのですが。

そのほか、操作性の面では、電源ボタンが撮影ボタンの右側にあるのは微妙ですね。左手でピントを合わせながら右手で操作となると撮影ボタンが右側にあったほうがよかったです。

画質については4Kだけあって細部まで細かく描写されます。オート露出も問題なし。NVS-20のようなアスペクト比の問題もありません。デジタルズームについては、等倍3倍あたりまでは許容範囲ですが3倍を超えると画質が悪くなります。

内蔵赤外線ライトは強力で30-50m程度の距離であれば問題なし。ただ、IRライトユニットは、NVS-20と同じもののようでNV016と比べると光量が少ないかなという印象です。

NVS-40とNV016の比較表をつくってみました。こんな感じです。

まとめ

ということで、まとめです。ざっくり使ってみての感想としては、まず、NV016と比べると作り込みが甘いかな。安定さに欠けるうえに使い勝手の悪さが目立ちます。LCDのサイズや赤外線ライトの光量、デジタルズームの画質については小さなサイズを考えれば許容範囲でしょうか。

暗所の画質については、NV016と比べると今ひとつですね。センサー感度が低いことに加えて、赤外線ライトの輝度が少ないことも影響しているようです。

メリットはコンパクトなサイズ感です。4K録画対応など性能的にはNV016と同等にも関わらず、ひと回り小さなサイズに収まっているのはうれしい。また、筐体の質感も良く、NV016のように保護レンズの品質の悪さから生じるゴーストもありません。ファームウェアのアップデートに対応するなどサポート面での安心感もあります。

そのほか、バッテリーが取り替え可能な18650電池というのは評価できますが、交換時に設定がリセットされるのは困りものです。

ということで、画質やズーム倍率を優先するならNV016を選んだほうがよいかな。特にカラーナイトビジョンの暗所感度はNV016のほうが大きく上回っています。コンパクトで4K撮影できる機種をということならNVS-40も選択肢に入るでしょうか。

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